【今週のポイント】
今週のトルコリラ円は、先週末に過度な緊張感が緩んだ「トランプ関税」を巡る動きを探りながら上下する展開は続きそうです。対米報復措置を発表した中国(米製品への関税を125%まで引き上げ)ですが、これ以上の関税引き上げ合戦には付き合わない方針を示しました。もっとも米中貿易戦争が回避されたわけではなく、習・中国国家主席がトランプ米大統領に歩み寄る雰囲気さえも感じられない中では、世界経済の不透明感はまだ深まったままと言えます。
リラ円は先週末、3月19日以来の安値3.73円まで売り込まれました。米株の反発を支えに週引けにかけて下げ渋りましたが、週終値は 3.78円付近と初めて3,70円台を記録。イマモール氏逮捕をきっかけとしたリラ暴落の影響を拭えないままでいます。
一方ドルリラは37.90リラ前後で週引けしました。ただこれは、トルコ金融当局が国有銀行などを通してリラ買いドル売り介入を実施し続けているからでしょう。ドルリラの水準から推測するに、38リラが介入の目安レベルではないでしょうか。しかしながら、3月半ばから4月にかけての介入で中銀の外貨準備高は急減しており、今後同じようなペースで続けるのは難しいことが容易に予想されます。
リラ回復のためには、トルコ政治が国際的な頼を取り戻せるかがポイントの1つでしょう。トルコ
金融市場を混乱させたイマモール氏逮捕と収監について、抗議の声は上がり続けているものの、トルコ局は強硬な態度を示したままです。現状のような政治的な不公平さが見受けられたままでは、外国人投資家のトルコ回帰はまだ先となりそうです。
今週はトルコ中銀が政策金利を発表します。市場予想は主要金利である1週間レポレートが42.50%で据え置きです。ただ先月引き上げた翌日物貸出金利などについて、何ら変更があるかもしれません。
今週のリラ円は11日安値3.73円を念頭に、割り込むと3月19日につけた最安値3.61円が視野に入ってきます。上値めどは、まず9日高値3.90円を想定します。
【今週の予定】
14日
字)
42.50%)
2月トルコ経常収支(前回
38億ドルの赤
17日 トルコ中銀、政策金利の発表(前回
【先週の指標結果】
2月トルコ鉱工業生産(前月
比)-1.6%
-2.6%・改
(結果)
(前回)
【先週のトルコリラ円の動向】
先週のリラ円はリスク回避の巻き戻しで何度か持ち直す場面があったものの、3.90円台では頭を抑えられました。ドル円が下値を広げると、週末にはつれて3.73円まで売り込まれました。週引けにかけて下げ渋るも3.80円を割り込んだ水準で終えました。
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